5月20日(木)「整形外科診療に求められる医工連携」
「整形外科診療に求められる医工連携」
目次
【1】整形外科について
【2】整形外科の手術
【3】人工骨
【4】これからの課題、期待する医療
【1】整形外科について
整形外科
運動器(骨・筋肉・関節・神経)の機能的改善を目的として治療を行う外科
整形外科を英語にすると、、、
orthopedics
ortho(正しい)とpeideia(子育て)に由来。
小児の先天奇形やけがによる変形を治す。
整形外科と形成外科
整形外科:身体の芯になる骨・関節などの骨格系とそれを取り囲む筋肉やそれらを支配する神経系からなる「運動器」の機能的改善を重要視して治療する外科
形成外科:身体表面の見た目の良くない部分を改善する外科
骨や関節、筋肉など運動器の衰えが原因で「立つ」、「歩く」といった機能(移動機能)が低下している状態。
介護保護受給者の割合NO.1は運動器の障害を持っている人!
整形外科の治療手段
・観血的治療(外科的手術による治療法で、一般的に出血を伴うことからこのように呼ばれる。)
【2】整形外科の手術
①外傷(骨折、脱臼、靭帯損傷など)
ちなみに、外傷の原因は
1位:交通事故
2位:転倒
②関節の変形、疾患
③脊椎の疾患
①外傷
骨折した時
固定 ・シーネ固定(添え木固定)
・ギプス固定
手術
・髄内釘(ずいないてい)固定
骨の中心部に挿入される「髄内釘」は骨を支え、対象となる部分を強固に固定することができる。
・下肢延長術
チタンは生体親和性に優れる
チタンは、酸素と結びついて表面に強固な不動態皮膜を瞬時に形成し、何らかの理由でそれが傷ついても不動態皮膜を瞬時に再形成し、溶け出すことがない。また、何らかの原因でチタンイオンが溶出してしまっても、直ちに酸化してしまい、人体に悪影響を及ぼすことがない。
つまり、チタンは体内に埋め込めるほど安心な金属だということ!。
②関節の変形・疾患
変形性関節症
膝の軟骨がすり減り、関節の変形が生じて炎症を起こし、痛みが起こる病気。
軟骨は血行が乏しく、自然修復はほとんど期待できない。
手術
人工関節
人工関節置換術
合併症
・脱臼
・摩耗による弛みおよび骨折
摩耗粉による人工関節の弛み
摩耗粉を出さないことが最大の課題の一つ
セラミック
摩耗粉は発生しにくいが、破損のリスクが比較的高い。
金属と金属の組み合わせ
脱臼しにくいが摩耗粉が発生しない
リバース型人工関節
腫瘍用人工関節
Expandable prosthesis
③脊椎の疾患
・脊椎固定術
思春期側湾症に対する矯正
人工椎間板
関節鏡視下手術
膝の中にカメラを入れて行う手術。関節内を観察しながら、変性した半月板や軟骨、増生した骨棘の切除を行う。関節の変形や痛みがそれほどひどくない場合に行う手術。手術創が極めて小さいのが特長。
脊椎内視鏡手術
ナビゲーションシステムを利用した手術
→赤外線カメラで手術器具の位置を正確に読み取る。
【3】人工骨
骨欠損を補うために、自家骨移植、他家骨移植、人工骨移植を行う。
人工的なものは
化学的耐久性と力学的耐久性が必要。
人工骨を多孔質化するとどうなるか
気孔率が高いと、強度が低くなる。
気孔率が低いと、骨との結合が弱くなる。
人工骨の理想
・構造支持体として十分な強度
・骨組織として高い親和性
・生体内での吸収置換性(周囲の骨になじむ)
3Dプリンタを用いたカスタムメイド人工骨の利用!
【4】これからの課題・期待する医療
これからの課題
・高齢化の進行
・医療費の高騰
・医師不足
期待する医療
病院に行かずして診断・検査・治療を行い、病院外で機器の動作状況を把握する。そうすることで、病気の予防・早期発見・リハビリが可能になる。